ドドメイロキコウ2

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拗らせ日記ʕ·͡·̫͖

富士山

山に関してはテレビでマッターホルンを見るまでどれもただの山じゃんと思っていた。山に囲まれた地域で長いこと暮らしていて、山は見慣れていた。当たり前の風景だったので特別美しいと思うこともほとんどなかったけど、初めて画面越しのマッターホルンを見た時山に対する考え方が変わった。とても惹きつけられた。すごく綺麗だと思った。

マッターホルンは好きだけど他の日本の山には相変わらず無関心だった。富士山も、マッターホルンには敵わないよなあとか思っていた。

…けど、新幹線の窓越しとはいえ初めて生の富士山を見た時ギャフンとなった。富士山はやばかった。青くててっぺんは白くてでっかくてどっしりしていてめちゃくちゃかっこよかった。いつか窓越しじゃくてちゃんと見たいなと思った。

マッターホルンと富士山はすごい!世界でならマッターホルンが一番好きだし日本でなら富士山が一番好きだし、もうさすがにどの山を見ても感動はしないだろうと思いながら週を跨いで榛名山赤城山に行った。勿論登ってはなくてバイクでいけるとこまでだけど、榛名と赤城には湖があってそれなりに綺麗だったけど感動はしなかった。空気は美味しかったし自然の音は心地よかった。

その翌週妙義山に行った。するとギザギザな山肌がかっこよくてうっかり感動してしまった。してやられた。漠然とこの山すきだ、と思った。

妙義山はかっこよくてすごく好きだけど、感動したのと同時に『やっぱり富士山生で見たいなあ』とゆう思いも強くなった。

 

 

そして先週その願いが叶った。貼るカイロを4箇所に貼って厚着をして準備はばっちり!バイクのタンデムシートに乗り朝4時半のまだ暗い中出発した。予定通りいけば片道4時間半の距離。

寒いけどまだ耐えられる寒さだった。星がとても綺麗で、空ばかり見ていた。(横見ても真っ暗で何も見えない…)コンタクトをつけても視力の悪い私だけどオリオン座の中の星までくっきり見えた。

小一時間ほど走ったとこで空の端っこが少し明るくなり始めた。子供の頃徹夜か超早起きして見た夜明けの、今から世界が始まる感じのワクワク感を少し思い出した。うっすら山影が映し出され、段々と星が薄くなっていく。

毎日起こっている当たり前のことなんだけど、富士山みる!とゆう目的もあってかその光景にえらく感動した。空気がとても澄んでいてまだ薄暗いけどしっかりと山の形が分かる。水色から徐々にオレンジがかってくる空の色が綺麗で、方向的に反対だったけどしょっちゅう後ろを振り返り空を見ていた。

峠道に近づき寒さが厳しくなってきたので途中コンビニに寄って暖をとった。コンビニから出るとしばらく峠道が続くので(私は運転できないけど)気を引き締めた。

空がだいぶ明るくなり星が見えなくなった。太陽が出始めたのは周りが紅葉した山に囲まれている道を通っているあたりだった。

朝焼けに照らされた山々の、赤や黄色やオレンジの紅葉がめちゃくちゃ綺麗だった。どこかに止まって写真を撮りたかったけど、この辺りからくそ寒くなってきたので少しでも早くこの寒さを抜けるために止まるのはやめておいた。

でも本当に綺麗だった。その日2度目の感動。

色鮮やかな山を抜けると標高1000m超えの看板が見えた。どうりで寒いわけだ。少し前までは雲ひとつなかった空が雲に覆われている。寒いとゆうか痛い。ずっと震えていた。中でも膝と爪先がやばかった。温度は2℃くらいだったと思う。

冷えからトイレも近くなり2回コンビニに寄ってもらった。背中と腰に貼っていたカイロを膝に張り替えると少し痛さがマシになった。

ヘルメットの透明な部分?はずっと曇っていて景色があまり見れなかった。残念😢

開けたとこを抜けてしばらく進むと標高1400mの看板が見えた。そして更に進むと北海道のような場所に出た。牧場がたくさんあって平地が広がっていた。この頃には雲も消えて太陽もガンガン出ていたので少し寒さとゆうか痛さも和らいでいた。お日さまの力って偉大。

今回は富士山に行くことしか考えてなかったので、道中何があるかとか全く調べてなかった。調べてなかったのが幸いして、道中で八ヶ岳が見えるのを全く知らなかった。

前方になんかかっこいい山あるなあ、と思ってはいたけど、近づくにつれてこんなにかっこいい山だと思ってなくてびびった。思わずちょっと止めて!!と叫んでしまった。

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もうとにかく美しかった。早朝の空気が澄んでいそうな時間帯、空の水色と雲の白と牧場?草原?の緑と紅葉した木々と八ヶ岳の色のコントラストとか、形とか雰囲気とかめちゃくちゃ綺麗だった。興奮しまくりだった。八ヶ岳なんて聞いたことあったかもなあ、くらいでその場でぐぐったんだけど、日本で2番目に好きな山になった。妙義山は3位になった。その日3度目の感動。

富士山を見に行っているはずなんだけど、なんかもう八ヶ岳で満たされた部分があった。それくらいよかった。

でも目的は富士山なので更に進んだ。県外ナンバーの車やバイクも増えてきた。

南アルプスかな?右手に見え始めた。かっこよかったけど八ヶ岳の方が好きだと思った。

すると斜め左前くらいに小さくてうっすら白い影が見え始めた。

『あれ富士山かも!!!』叫んだ。山々に囲まれている富士山らしき白い影は見えたり見えなくなったりする。その方向をしっかりと覚えて目で追う。テンションが上がる。

少しずつ大きくなってくる白い影、ああ、富士山だ!と確信するまで結構時間がかかった。八ヶ岳に感動していたのを忘れて富士山に興奮し始める。

けど不思議なことに富士山は近づくにつれて白い影は大きくなっていくけど色が薄くなっていった。市街地に出ると富士山だけでなく割と近くの山にもガスがかかっているのかぼんやりし始めた。そのうち近くの山に埋れて富士山は見えなくなった。テンション下がりまくり。交通量も増えてくる。目的地まで30分を切っている。こんな中で本当に富士山綺麗に見えんのかな…しきりに富士山の方向を見ていたけどやっぱり見えない。富士山を隠している山も、夜明けの時に見たはっきりとした山の形とは比べ物にならないほどぼやけている。不安が募る。

Googleマップのナビに従い市街地を抜けて峠道に差し掛かる。トンネルを抜けるらしい。

トンネルを抜けると富士山が見えるのかな。だとしたら私のトンネル効果はトンネルを抜けるとそこは富士山だった。になるのかもしれない。とか思いながらトンネルを抜けてもすぐ富士山は見えない。不安になりながら峠道の下りに差し掛かった瞬間

 

富士山みえた!!!!!!!!!!!!

 

さっきのぼやけたのは何だったのかと思うほどくっきりとはっきりとでっかい富士山が山の間から顔を出した。思わずきゃーー!と言ってしまった。ぎゃーー!だったかもしれない。

この日4度目にして最高潮の感動。少し泣きそうにすらなった。きゃー!かぎゃー!以外は富士山やば!!としか言葉が出てこなかった。

止まれなかったけど、しっかりと生富士山を目に焼き付けた。

 

段々と周りの山が消えていって富士山オンリーになってきて、少しして目的地の河口湖に到着。9時半ぐらいだったと思うけどすでに観光客がたくさんいた。バイクを止めて湖に近い道に降りると湖に続く階段があったのでそこに降りて座って富士山を眺めた。風が出ていたので逆さ富士は見えなかったけど、なんかもうTHE富士山って感じだった。

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ずっと見ていられそう、と思ったけどやっぱり人混みは苦手なので30分程富士山眺めたり写真撮ったりした後近くの紅葉回廊を通ったりして(まだ紅葉ピークじゃなかった)満足したので河口湖から20分くらいの場所にあるハンバーガー屋さんに行って並んで結構待って食べて帰った。ハンバーガー美味しかった。

帰り道段々見えなくなっていく富士山をちょくちょく振り返ったりミラー越しで見ていた。完全に見えなくなると少し寂しくなった。

帰りは奥多摩ルートで帰った。歩いてる人がたくさんいた。

 

河口湖から見る富士山も間違いなく綺麗なんだけど、トンネルを抜けて山の間から見えた富士山が一番感動した。星の美しさや夜明けの美しさも、山の紅葉も、八ヶ岳も感動したけどやっぱり富士山のラスボス感は凄まじかった。トンネルを抜けて山の間から見えた富士山は一生忘れないだろうなと思う。

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