ドドメイロキコウ2

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拗らせ日記ʕ·͡·̫͖

ニンフォマニアックVol.1 Vol2 感想

去年気に入って何度か観た作品。

ラース・フォン・トリアー監督。デンマーク映画

ニンフォマニア=色情狂で、色情狂の女性が主人公の作品だ。性をテーマにしていると感じられるところもあり、エロを追求していく映画かな?と思って何となく観ていたけど(私からみて)エロさはほとんどなかった。そこも気にいった。何となく観ていたのに気付いたら入り込んでいた。

音の使い方も静かなシーンでいきなりメタルぶち込んできたり中々面白かった。

 

淡々と進められる物語、長い目で見ればシリアスな内容。なのに惹き込まれるのはエロだからではなくこの作品がコメディだからだと思う。

上級のコメディ。

 

主人公の女性のことをビッチだとバカにしたり見下したりしてコメディにカテゴライズしてる訳ではない。

私にも色情狂とまではいかないかもしれないけど、作品を観ていて思い当たる節がいくつかあった。それを思い出し、憂い、照らし合わせたうえでの上級のコメディだと思った。

私は性に対してどこかダークな部分があることを望んでいる。多分そっちの方がピュアさを感じられるから。背徳心とかとはまた違うダークさ。

ダークで、じめじめとして、澱んでいるようなそんな私の求めてる性がニンフォマニアックにはあった。だから観ていて心地よかった。

 

印象に残ってるシーンがある。色々あってヤクザの取り立てまがいの仕事を始めた主人公が、借金を返さない相手を椅子に座らせ相手の性癖を暴いて脅す?シーン。

椅子に座らされた男性は、自分でも気付いていなかったけど小児性愛者だった。

認めたくない事実を突きつけられ、金は払うからもうやめてくれ…と涙する。(うろ覚えです!)

 

グサっときた。ゾッともした。

二回目以降そのシーンを観るときは手で目を覆い隠すようになるくらい残酷なシーンだと思った。

自分の一番奥の奥のところに赤の他人に土足で踏み込まれる感覚。(踏み込みまくりな私のことは置いといて)残酷だ。ニュースに出てくるような小児性愛者はちんこ切ったらいいのにと思うけど、実際に手を出すわけでもなく、自分がそうだと何十年も知らなかった*1のに突然気付かされるこの仕打ちは本当にむごい。

生まれて初めて小児性愛者に同情した。

 

性がテーマと書いたけど、愛がテーマ*2でもあると思う。もっと言ってしまえば愛をとるか、性をとるか。

性を選んだ主人公が迎えるラストは賛否両論あると思う。

私はラストシーンはコメディを超えて高度なギャグだと感じた。それまでにあった切ない展開*3を一掃し乾いた笑いに変えてくれる。ハハッ、まあそーなるわな!😶となる。この終わり方は嫌いじゃない。不思議な余韻が残されるのも、作品内の重大なことは何だったか忘れてしまうのも、感傷に浸りながら観ていたモードをぶち壊されるのも、ラストの一撃があるから。

そしてその一撃が多分抗いようのない真実でリアル。オチとして申し分ないと思う。

男なんて所詮こんなもの。みたいな男卑女尊の意味で真実って書いた訳じゃない。

理不尽だ!と思うことや、なんでやねん!ってつっこみたくなるとこが真実だと思った。

 

2部構成になっていて、全部観ようと思うとかなり時間がかかる。にも関わらず何度か観続けた。何を求めて観ていたのかは私にも分からないしTPOもあると思うけど多分色々と『ちょうどいい作品』だったのかもしれない。勿論ラストも含めて。

 

 

 

 

*1:自分が小児性愛者だと知っていて隠していた、ととれる表現が私には見当たらなかったので知らなかったていで書いてる…。

*2:主人公は途中で結婚するんだけど、旦那側の愛の形は色々考えさせられた。

*3:ひょっとしたらラスト前のおしっこかけられるシーンはラストに向けて作られたのかもしれない。と下書き読み直してて思った。